前回は結婚に必要な書類のそろえ方を説明していきましたが、今回は結婚式の準備をメインに書いていきます。
Step3 挙式・披露宴準備
まず挙式選びに重要な点について、Step0 情報収集でマクタン島のシャングリアホテルに決めた理由を少し書きましたが、ここでもう少し深く書いていきます。
フィリピンで法的に結婚するためにはStep2 婚姻許可証(Marriage License マリッジライセンス)の入手の後に婚姻証明書(Marriage Contract マリッジコントラクト)を作成する必要があります。
最終的にフィリピンでは婚姻証明書の作成=法的な結婚となります。
そしてこの婚姻証明書を作成(サイン)できる権限がある者を婚姻挙行担当官と言い法律で定められていて、牧師や神父だけでなく裁判官や市町村長などもこの資格を持っている場合があります。
宗教と政治が混ざってこのような形になっているのかと考えられますが、要するにこの婚姻挙行担当官に婚姻証明書を作成してもらう必要があって、自分たちの挙式の神父が婚姻挙行担当官の資格を持っている人であれば、そのまま婚姻証明書を作成できます。
前記事で紹介した日本人オーナーのプルクラホテルのように、招待客以外(婚姻挙行担当官だけでなくカメラマンなども含めた)は入れてくれないホテルもあるので、式場を選ぶときは先に確認しておくと良いと思います。
では、ここから挙式・披露宴の準備についてです。
始めは何から手をつけるか迷うかと思いますが、このチェックリストに項目がまとめられているのでまずは目を通しておくのがいいかと思います。
若干項目が被っているので省いて和訳するとだいたいこんな感じになるかと思います。
4ヶ月前
- 家族と親友に結婚を報告
- 結婚式の方式・日程・予算を決める
- 挙式と披露宴会場を予約する
- 教会挙式をする場合は教会にアポを取る
3ヶ月前
- 結婚許可証の申請準備をする
- ウェディングコーディネーターを決める
- 婚姻挙行担当官を決める
- ウェディングドレス、スーツを決める
- Bridal Entourage(レッドカーペットを一緒に歩く親戚や友人)を決める
- 披露宴のオプション(ケーキ、司会者、カメラマン、花、ミュージシャン などなど)を決める
2ヶ月前
- 招待客リストの作成、招待状を配布する
- ブライダル・アントラージュ(Bridal Entourage)のドレス作成
1ヶ月前
- 披露宴の食事を決める
- 披露宴のプログラム(ゲーム、スピーチ、余興)を決める
- 挙式・披露宴の音楽を決める
- 結婚指輪、靴、サンダル、アクセサリーなどを購入する
- 引き出物(Giveaways)を準備する
- 挙式の誓いの言葉、披露宴の挨拶を考える
2週間前
- ウエディングドレスを試着する
- 招待客の確定と披露宴の座席を決める
- 挙式、披露宴、オプションの最終確認
この項目数を見ると全部自分で準備するのは結構大変なので、代理店に依頼したり、ウェディングプランナーを雇ったり、カメラマンや花などいくつかのオプションがパッケージになったものもピンキリの値段であるので、そちらも選択肢の1つに入れるもの良いかと思います。
私の場合は、奥さんの知り合いがウェディングプランナーで助言をもらえる環境だったのもあり代理店を使わず自分たちで準備しました。
と言っても大部分は奥さん側の知り合いに依頼したので、そこまで大変ではなかったのですが、依頼していた人からドタキャンされたり依頼内容が違ったりということがあったので、私の評価も踏まえて書いていきます。
まず挙式と披露宴のために使った費用がこちらになります。
No | 項目 | 値段 | 依頼・購入先 |
---|---|---|---|
1 | 挙式 | 95,000ペソ | シャングリラホテル |
2 | 披露宴 | 360,000ペソ | シャングリラホテル |
3 | 招待状 | 約2,000ペソ | Lazada |
4 | 司会者(MC) | 5,000ペソ | Benedict Uayan Salise |
5 | ウェディングコーディネーター | 無料 | |
6 | カメラマン | 70,000ペソ | Richard Benjamin Cañete |
7 | メイクアップアーティスト | 15,000ペソ | Joel Sarimos |
8 | ウェディングドレス | 35,000ペソ | GMO Collections |
9 | 花(Wedding Florist) | 37,500ペソ | Joyful Weddings |
10 | ブライダルカー | 3,000ペソ | Bridal Car Rental |
11 | 引き出物 | 9,000ペソ | Maison Des Fleurs Cebu Flowershop |
1.挙式
最終的に挙式と披露宴をしたシャングリラホテルのプランの確認はこちらから。
余談ですが、結婚式プランの話を聞こうとホームページのお問合わせ欄とEmail events.mac@shangri-la.comに何度か連絡しましたが、1週間以上待っても返事がありませんでした。
管理していないのか担当者の怠慢なのかフィリピンだからなのかは分かりませんが、最後まで返信がなかったため電話(+63)32-231-0288してようやく担当者の連絡先聞くことができました。
その後、シャングリラホテルの担当者と打ち合わせをしましたが、2〜3ヶ月先の週末は1日除いて予定が埋まっている状態でした。
時期にもよると思いますがなるべく早めに予約する事をお勧めします。
日本の代理店を通すと40万円ほどしますが、自分たちで直接申し込むと9万5千ペソなので約半額で申し込めます。
このプランにはいくつかのオプションから3つまで無料で選べますが私達は
- チャペルを飾る花(8つ)
- 神父(婚姻挙行担当官)
- ピアニスト・歌手
- ホテル内のシャトルバス(こちらはサービスで付けてもらいました)
を選びました。
2.披露宴
続いて披露宴のプランは同じくシャングリラのドリームウェディングプランを選びました。
150人は入るであろう豪華な会場を360,000ペソ(招待客98人〜)で借りられるのはフィリピン故のお得感があります。
このプランにもオプションがあり、5つまで選ぶことができますが私が選んだのはこちら
- ワイン10本(乾杯用)
- 3段ウェディングケーキ
- ライブバンド
- シャングリラホテルのスイートルーム前泊
- シャングリラホテルのスイートルーム1泊
ちなみにスイートルームはAgodaで予約すると10万円位する部屋なのでお得です!
3.招待状
招待状(invitation cards)はSMなどのショッピングモールなどにいくつか出来るところがあります。
私は同僚のご好意でデザインと印刷をしてもらいました。感謝!!
招待状の用紙はLAZADAで注文。
4.司会者(MC)
披露宴が盛り上げるために重要なのが司会者ですが、自分達ではなかなか探し辛いところだと思います。
私は奥さんの希望で知り合いのBenedict Uayan Saliseに依頼しました。
何度かBenedictが仕切るイベントを見に行ったことが合ったのですが、お笑い芸人タイプで面白い披露宴にしたいならおすすめです。
5.ウェディングコーディネーター
ウェディングコーディネーターって何っと始めは思いましたが、披露宴を裏方でコントロールする人で割と重要な役割になります。
引き出物を配ったり、司会者のアシスタントのような簡単な作業が多く、副業でやっている人が多い印象です。
今回、結婚式の準備中にウェディングコーディネーター紹介するよっと言ってくる人が5~10人くらいいましたが、その人達にお願いすると15,000ペソが相場のようです。
私達は奥さんの知り合いがやってくれたため、無料(チップのみ)でした。
6.カメラマン
ウェディングのオプションで一番費用がかかったのがカメラ&ビデオです。
こちらも奥さんの希望で知り合いのRichard Benjamin Cañeteに依頼しました。
テレビ局でも働いているカメラマンです。
プリナップ、披露宴用の動画、アルバム作成まで全部含めて70,000ペソ(友達価格)でした。
十数人に囲まれて写真やビデオを撮られるという慣れない事をするので疲労感が半端なかったのですが、このカメラマンは損得感情なく良いものを作ろうとする意欲があり、真面目タイプのフィリピン人なのでビデオ作成等したい人はおすすめです!
メイクアップアーティスト
こちらも奥さんの希望で知り合いのJake Sairaに依頼していたのですが、プリナップ当日の朝、今向かってると連絡しつつ、集合時間の1時間後に代わりを向かわせたから後はヨロシクって連絡をしてきた上に代わが新人だったというありえないが、これもよくいるタイプのフィリピン人でした。
スキルがあって割と有名な人みたいですが、大事な結婚式に絡ませるのは怖かったため、友達の勧めでJoel Sarimosに変更。
フィリピン人は約束や時間を守らない人が多いので、結婚式という重大なイベントはいかに信頼出来る人を見つけられるかが重要なポイントになります。
代わりのJake Sairaも時間こそ守るものの、メイクアップアーティスト2人、ヘアメイク1人の内容で契約していたのに、結婚式の当日に他のメイクアップアーティストが見つからなかったと言って勝手に人数変更した挙句、当時母親を連れてくるなど、自由な行動が目立ったので日本人にお勧めできるか微妙ではありますが、メイクは上手だと奥さん達は気に入っていました。
8.ウェディングドレス・スーツ
こちらは奥さんの親戚がやっているGMO Collectionsにしました。
フィリピンの結婚式はブライダル・アントラージュ(Bridal Entourage)と言って、親友や親族と一緒にレッドカーペットを歩く欧米発祥の文化があります。
ブライダル・アントラージュの人数は式の規模にもよりますが、私の場合は
- 新郎・新婦の両親 各2名
- 新郎の親友(Best Man) 1名
- 新婦の親友(Maid of Honor) 1名
- 新郎の友人(Grooms Men) 3名
- 新婦の友人(Brides Maid)3名
- 立会人(Principal・Secondary Sponsors / Witnesses) 4組 8名
- フラワーガールなどの子役5名
と新郎新婦合わせると総勢25名でレッドカーペットを歩きますが、お揃いの衣装を着るため、その衣装レンタル代も新郎・新婦が準備することになります。
なので今回、ウェディングドレスの作成とタキシード、ブライダル・アントラージュの衣装総勢約15名分の衣装レンタル、披露宴に使うビール(biel)、リングベラー(Ring Bellah)、コインベラー(Coin Bellah)、コード(Cord)などの小物のレンタル込みで35,000ペソでした。
この親戚のフィリピン人オーナーは人当たりがとても良く、衣装を作る技術はあるのですが、残念ながら時間を守らない&返信しないタイプのフィリピン人なので、出来上がるまでは不安でした。
コスパだけで見れば良いですが、おすすめ出来るかは?です。
9.花(Wedding Florist)
今回の準備で最後まで決めかねていたのが花になります。
っと言うのも、フィリピンは日本以上に花が高いのです。
シャングリラホテルの挙式と披露宴プランのオプションで最低限だと思いますが花は付いているので、プラスで何万ペソ払ってまで付け足す必要があるかどうかを始めは迷いました。
それも踏まえてインターネットで探した数店舗の担当者と打ち合わせして最終的に決めたのが、Joyful Weddingsになります。
決め手は担当者がしっかりしていて安心できたのと、サンプルで見してもらった写真がイメージに近かったためです。
まぁ最終的に花に関しては残念ながら全体的に満足できませんでした。
と言うのも今回、挙式はシャングリラのオプションで披露宴のほうだけ花屋(Joyful Weddings)の花を使うことにしましたのですが、両方共サンプルで出てきた写真と比べると結構違っていました。
特に酷かったのがシャングリラで、サンプル写真は白いバラのような花がメインでしたが当日出てきたのはタンポポのような花でした。
結婚式当日、花が少し気になるも花に目を配っている余裕があまりなく、後で写真を見たらダイブ想像と違っていたので残念でした。
私自身、花に詳しくなく相場も知らないし、生物なので仕方のない部分はあるのかもしれませんが、それにしてもサンプルで見た写真や依頼時にお願いしたイメージ写真と比べて素人目に分かるほど全然違っていたので、花に妥協したくない方は予めどういう花をどのくらいの量使うかなどを明確に決めておいたほうが不満が残らないと思います。
あと、花屋(Joyful Weddings)と始めの打ち合せの時に、まず30,000ペソのセット価格という前提で話で進み、その上で必要なものを聞かれますが、そのときに必要なものを全て伝えずに途中で追加した場合は追加料金を取られるので注意が必要です。
私の場合は、ブライダルカー用の花と別途披露宴で使う小さなスポットライトを途中で思い出して追加したのですが、7,500ペソの追加料金がかかりました。
恐らく始めの打ち合わせ時に伝えていたら追加料金は取られなかったと思います。
私達は花に詳しくなくてある程度お店側のお任せにしたのも悪いし、お店側も言い訳しやすいのと、せっかくの結婚式に水を差すことにもなるので結局苦情は言わなかったのですが、もう少しやり方があったのではと後悔したことの一つになりました。
10.ブライダルカー
結婚式に欠かせないのがブダイダルカー
シャングリラホテルのロビーからチャペルまで歩いて10分程度の距離を花嫁さんを運ぶだけの役割なのですが、結婚式には欠かせません。
今回の結婚式準備を通じて知り合った人たちに勧められて見に行ったお店がGuani Rent A Carとなります。
Webページの写真と比べると車が古びていましたが、ベンツのヴィンテージカーやBMWなど5種類程のブライダルカーをレンタルしてますが、ヴィンテージカーは古いためセブ市内限定とのこと。
ヴィンテージカーなどの特別な車でもない車のレンタルが7千ペソ前後と割高感を感じて、他にも探して最終的に決めたのがBridal Car Rental-Cebuのプジョー。
車の持ち主が小遣い稼ぎでやっている程度ですが、車の持ち主が弁護士で契約書も予め用意してくれたり安心出来たのと、ドライバー・ガソリン込み込み4時間で3,000ペソ。車も買って半年の新車と他のお店と比べて安くて車のきれいだったため決めました。
コスパ重視ならお勧めです!
11.引き出物
フィリピンには日本の引き出物にあたる”Giveaways”と言う、ちょっとしたプレゼントを出席者に渡す文化があります。
2人の写真が入ったクッションや写真立てなど、日本人からするともらって困る様なものが多いようです。
ショッピングモールの中に写真データを持ち込んでマグカップやTシャツなどに印刷してくれるお店は幾つか有りましたが、Giveawaysをメインに扱っているお店は見つけられませんでした。
今回はインターネットで探したMaison Des Fleurs Cebu Flowershopで多くの人に喜べんでもらえる様に無難な小瓶のワインにしました。
写真データを渡せばその写真を元にオリジナルのワインラベルをデザインしてくれます。デザイン料込みで1本150ペソ(50本から)
もう少し探せば他にも良い店が見つかったかもしれませんが、連絡が早く安心して取引できました。
Step4 挙式・披露宴/婚姻証明書(Marriage Contractマリッジコントラクト)の入手
さていよいよ結婚式当日。
失敗や話と違うとことが数多くありましたが、奥さんが喜んでくれたので全て良しとします 笑
挙式中に婚姻証明書(Marriage Contract)を作成します。
作成した婚姻証明書をCity Hall(シティーホール)に持っていくことで婚姻届の提出となります。
私はシャングリラホテルのオプションに付いていた神父に婚姻届けの提出までを代行料2500ペソで代行してもらいましたが、自分たちでやれば数百ペソで出来ると思います。
婚姻証明書の提出から2週間後にスタンプが押された婚姻証明書をもらうことができます。
ここまでフィリピン側の婚姻手続きは終わりますが、フィリピンにはNSO(National Statistics Officeの略)という、フィリピン国民の出生、婚姻、死亡に関わることを管理する政府機関があります。
フィリピン人が結婚したことを証明するには、このNSOが発行した書類が必要なのですが、シティーホールに婚姻届を提出してからNSOに反映されるまで3ヶ月〜1年かかります。
結婚後にフィリピン人パートナーを連れて日本に住むことを考えている人などNSOの反映を待てない人は1ヶ月でNSOの反映を終わらせる方法があるのですが、それはまた次回書きます。
Step5 婚姻届の提出
ここまで長い道のりでしたが、いよいよ最後。
最後日本側へ婚姻届を提出するため、再度日本大使館に行きます。
日本の婚姻届(用紙は大使館でもらえます)と一緒に提出するものは
- 戸籍謄本1部(日本大使館の資料には2部と書いてありますが、1部でした)
- フィリピン人奥さんの出生証明書(Birth Certificate)及び日本語訳文
- 婚姻証明書の正式版コピー(Certified True Copy)と日本語訳文
- 婚姻要件具備証明書のコピー
- 婚姻許可証と婚姻許可証申請書のコピー
- パスポート
となります。
いくつかの資料の日本語訳文を作成する必要があります。翻訳業者に依頼できますが、単純に単語は直訳して、名前と地名はカタカナ表記にするだけなので、自分で簡単にできます。
婚姻届のサンプルはこちら。
フィリピン人奥さんの出生証明書の日本語訳フォーマットはこちらから
婚姻証明書の日本語訳フォーマットはこちらから
ダウンロードできます。出生証明書や婚姻証明書は作成年によりフォーマットが変わっているため、持っている資料に該当するフォーマットを使用する必要がありますのでご注意ください。
婚姻証明書の原本は1部しかもらえないので、City Hallが発行するCertified True Copyという正式版コピーを提出することになります。
以上で婚姻に関する全ての手順となります。
ご結婚おめでとうございます!末長くお幸せに!
続いてはVISAについてですが、それはまた次回!